(2015年8月14日公開動画より)
漫画家志望者に向けて
ぼくからの的確なアドバイス。
とにかく読者を意識しろ。
読者を惑わせるようなことを
一切しないで。これ大事。

冒頭から自己満足なストーリーを
ウダウダと書くな。
そこにキャラ名や固有名詞を
いくつも入れてるような
ゴミ漫画は即破り捨てる。

あとカッコつけて自己満足の
難しい言葉を使うな。
迷った時には誰もがわかる言葉を
使うようにしろ。

そして文字はできる限り大きく。
文字を大きくするためには
文字数を減らすこと。
文字が小さいというだけで
読者にストレスを与える。

ここから先はさらに突き詰めて
ハイレベルな指摘をしていく。

まず登場人物はできるだけ絞る。
読切32ページの漫画なら
主要キャラは多くて3人。

あと最近は漫画の専門学校とかで
教えてるような漫画のセオリーを
何も考えずにそのまま使ってる
クソ漫画が目立つ。

中でも最悪なのが「冒頭に一番
盛り上がるシーンを入れろ」
というやつ。この見せ方も
うまく使えば効果的だけど、
頭を使わずに言われたままに
使ってるド素人の漫画はクソ。
例えばこんな感じ。

いきなり決闘のシーンから始まる。
バキューン!って銃で撃たれて
ウワってなって、ページめくったら
チュンチュンって朝になってる。
そんでさっきの決闘とは全然関係ない
別の女がベッドから起きあがって
「ファ~よく寝た」みたいなやつ。

ストーリーの後半にその決闘の
シーンに繋がってくるんだろうけど、
この見せ方はほんとダメ。混乱する。

時間と場所を転換することは
読者にとって大きなストレスになる。
さらに登場人物まで変えるとなると
よほどの技術が無いと難しい。
時間、場所、登場人物を転換するには
細心の注意を払わないといけない。
できる限り回数が少なくなるように
工夫する。

映画的な見せ方の手法を取り入れて
一番最初に盛り上がるシーンを
見せて読者を引き付けようという
意図はわかるが、素人には無理。

これは漫画業界の弊害。
セオリーだけが先行して、
読者への親切心の意識が薄い。

もう1つそういう弊害がある。
ジャンプ編集部や小池一夫塾とかでは
とにかく魅力的なキャラクターを
作れという指導が行われている。

キャラクターや世界観を固めてから
描き始める方式。その理由は、
今の漫画業界は連載しないと
ビジネスとして成立しないから。
最初から連載を見越した考え方。

天才やプロならこのやり方でいいけど
一般的な32ページの読切においては
その教えは弊害でしかない。

最初に作った設定や世界観を漫画に
入れ込みたいという意識が働いて、
ストーリーに全然意味のない設定や
シーンを入れちゃうのが素人。
そういうのはノイズになるだけ。

本来の考え方としては、まず最初に
32ページで起承転結がキッチリ
まとまった漫画を作り上げる。
連載を考えるなら、そこから
世界観やキャラクターを
広げていけばいいだけのこと。

他にも作者の神経を疑いたくなる
ような、読者への親切心が
ゼロの漫画も時々見かける。

主要キャラが2人いるとして、
名前を「サトシ」と「サトル」に
するアホがいる。読者に対して
紛らわしさしか無い。理解不能。

1人の名前が2~3文字なら
もう1人は4文字にしろ。
あとどっちかメガネかけろ。
どっちか長髪にして身長も変えろ。
小さく描いてもシルエットでも
ちゃんと見分けがつくようにしろ。

こんなの基本中の基本。
読者への親切心があれば
当たり前にできるようなこと。

漫画家ってのはサービス業。
読者に対して常にわかりやすさを
意識して丁寧に描くこと。

ぼくは読者は6歳程度の知能しか
無い漫画の読み方も知らない
低レベルな人間だと見下している。
見下しがサービス精神に繋がる。

あとは構図かな。
自己満足なややこしい構図を
使いたがるやつもいるけど、
基本的には1カメラ進行。

画面にメリハリをつけるために
変な構図にしたがる気持ちも
わかるが、ヘタクソがやっても
見づらくなるだけ。

素人は1カメラ進行でズームイン
ズームアウトを駆使するだけでいい。
キャラの立ち位置もコロコロ
変えたりするな。

あとこれもあった。
最近流行りなのか知らないけど、
フキダシにトゲをつけないやつ。

しかもビルの街並みの風景に
丸いフキダシを2つ並べて
会話させてんの。
こういうのはプロの計算があって
成立する高度なテクニック。

これをカタチだけ真似して
ド素人がやっても全然ダメ。
どっちが話してるのかわからん。
おこがましい。ヘタクソは
しっかりフキダシにトゲつけろ。

世の中の人の漫画を読む能力は
どんどん低下していってる。
とにかく読者に対しての優しさを
忘れるな。徹底的に意識しろ。

ダメなド素人の漫画家ってのは、
2つのコマがあるとして、
自分の脳内でその間のコマを
勝手に補完してたりする。

例えば、走ってるコマがあって、
次のコマでもう派手に転んでる。
その間には石につまづいて
ウワっていうコマが絶対に必要。

漫画を描いていると、どうしても
読むスピードを遅く設定してしまう。
描くのにも時間がかかるから。
でも読者は一瞬で読み飛ばす。
一瞬でも理解できるように
1コマ1コマ丁寧に読者に
説明する意識を強く持って描け。

さらにハイレベルなことを言うと
いい漫画というのは登場人物が
自分の意思で動いてる。
悪い漫画は登場人物が作者都合で
動かされてる。

例えば男女のキャラがいたとして
途中16ページくらいで突然
チンピラが出てきて女を捕まえて
「ヒヒヒッ!いい女じゃねえか!」
とか言ったりする。

これ思いっきり作者の都合じゃん。
ピンチを作りたくて悪者を登場させた。
これはやっちゃダメ。だったら
悪者も最初からストーリーに
絡ませておくとか工夫しろ。

ダメな漫画はその場その場で
作者の都合で進行させちゃう。

いい漫画はキャラクターが
自分の意思で動いていて、
何かのキッカケによって心が動いて
成長して、ラストにポンっとオチが
ついて終わる。これがベスト。

「終わりよければ全てよし」だから
最後にポンっときれいなオチを
提供してもらえれば、読者としては
途中ちょっと納得いかないところが
あったとしても満足度が高い。

このぼくの漫画論が
役立ってる人いるんじゃない?
これほんと大事なことだぞ。